10%を超える高い分配金利回りと、毎月配当で人気のQYLD
1月、2月の下落時に爆買いした男の買う前に考えたかった事とは?
QYLD買う前に考えたい事5選
- そもそも高配当株投資ではない
言葉の定義としては高配当ETFなどで貰えるものは全て分配金と表現されますが、同一の表現から安定性のある高配当企業への投資が行われているかと初心者は錯覚してしまいがち。
多くのサイトでも高配当ETFとしてひとくくりにされている為、勘違いの元となります。
QYLDはNASDAQ100と連動する商品であり、投資先としてS&P500や全世界株、あるいはHDV等の購入を検討している人はリスクを許容できるか考えてから購入するようにしましょう。 - システムが複雑
QYLDはカバードコール戦略というNASDAQ100の値上がり益の一部を放棄する代わりに対価としてプレミアムを得る手法をとっています。
NASDAQ100の値動きがほぼ横ばいのタイミングで真価を発揮するものの、
そもそもNASDAQ100がそんな状態でコールオプションが売れるのかという
ジレンマを持った商品である事は頭に入れておきたい所です。
また、理解できていない商品を買わないという大原則を思い出したいですね。 - 税金面で不利
米国ETFの分配金にはまず米国国内での税金が10%かかり、続いて日本国での税金20.315%がかかる為、実際に受け取る額は額面に対し約7割になってしまいます。
米国/日本どちらでも税金がかかる2重課税状態になっており、米国国内での税金分を取り戻す為には確定申告が必要です。
この部分が投資信託などとの大きな違いであり、複利効果の面で不利になります。
米国株が低成長に突入し、QYLDが大きなパフォーマンスを発揮する可能性はゼロではありません。しかしながら、今株に興味を持っている方は米国株が今後も成長していくだろうと考えている方が大半と考えます。
そうであれば素直にNASDAQ100連動型の投資信託やQQQ等の商品を購入した方が自然と考えます。 - 値下がり時のリスク
QYLDは値上がり益を一部放棄している為、一度値下がりすると回復に時間を要します。
長期投資で売らないという考えもありますが、売り時を見失ってジリ貧になる可能性もあります。
高配当株に興味を持った理由が出口戦略(売るタイミング)を考える必要が無い事という方は
QYLDが暴落した際の事も考えてみましょう。
利益の出ている投資信託を取り崩す以上の遥かに難しい選択ではないでしょうか?
最悪の場合、早期償還となる可能性についても視野に入れて購入を検討してみて下さい。
また、資産が目減りする事を恐れて投資信託を売却できないのではないかと考えている方は
定期取り崩しというシステムで自動化を検討してみるのも良いかもしれません。 - 経費率が高い
QYLDの経費率は0.60%と他のETFと比較すると経費が多くかかっています。
経費率、税金面、リスクを勘案して納得のいく商品であるか購入前に再考したい所です。
まとめ
QYLDは複雑かつ相対的にリスクが高く、ポートフォリオの主力として据える銘柄ではないと考えています。私はどうしても月に最低限生活できるだけのインカムゲインが欲しかった為、投資資金の多くをQYLDに割いていますが、適正なポートフォリオとなるよう他の高配当ETFの購入にシフトしています。
これから株式投資を始める方は、銀行口座の開設を含めると本格的な投資の開始には3週間程度要しますので、王道であるS&P500連動型投資信託などを基準として本当にメリットがあるのかという観点でじっくり銘柄選びを進めていただければと思います。
また、銘柄選びも重要ですが、まずは投資に回す原資を貯めなければなりません。
資産形成の1歩目として正確な支出を把握する所から始めてみませんか?
コメント